シン・つれづれ草

シンガポールに暮らし、感じたこと、思うこと、体験したことなどを綴ります

ネパール・プーンヒル トレッキング Day 5, 下山後ポカラの町に後泊

前日無事に4日間のトレッキングを終えて、ポカラの町に戻ってきました。最終日は一日ポカラをぶらぶらして、夕方から深夜にかけてのフライトでシンガポールに戻りました。ポカラの町の様子と旅行手配全体の雑記をトレッキング後記として残します。

フライトの予定は夕方5時ポカラ発、カトマンズ行き、その後23:30カトマンズ発、クアラルンプール経由でシンガポールに翌朝着予定。フライトまでの時間、ポカラの町のDay tourとかも検索しましたが、時間がちょうどいいものも見当たらず、いくつか観光スポットになっているところを訪ねてみました。まずDevi's fall↓

次にそのすぐ近くのグプテシュワール・マハーデヴ洞窟↓

あと湖の中にあるお寺。100ルピー(約100円)払ってボートで渡る↓

まあ、いずれも暇つぶしくらいの感じです。。特にお勧めはしません。

これらのスポットよりも、町を歩くことで見られる町の風景の方がおもしろい。広い幹線道路を闊歩する牛とか↓

用水路で洗濯してるおっちゃんとおばちゃんとか↓

学校に向かう中学生とか。(小さくてよく分からないと思うけど)ちゃんと制服を着てピシッとしてる↓

この電線はもうちょっと何とかならんのか😅

正直時間を持て余しましたがまあよしとします。夕方5時発のBudda Airカトマンズへ。こちら機内からのカトマンズ市街↓

このポカラ⇆カトマンズの国内線は遅延や欠航がしょっちゅうという情報だったので、かなり余裕をもってカトマンズ17:30着、カトマンズからKL行きマレーシア航空23:30発を予約したのですけど幸い遅延なく。その代わりカトマンズ空港で延々と6時間待つことになりました。次回行くことがあればディレイがあったらそれはその時何とかすることにして普通のトランジットの時間で予約するかな。。シンガポール航空なら直行便もあったのだけど、こういう事態も想定しマイルのステータスがあってラウンジが使えるOne Worldのマレーシア航空にしといて正解でした。カトマンズの空港はラウンジ使えないとゲート前の固い椅子があるだけで、飯食べるところも酒飲むところもほぼ皆無です。カトマンズの空港のラウンジ。なんか独特↓

このラウンジ、イミグレ(出国審査)を通過後、セキュリティチェックの前にある。ある程度余裕持ってラウンジ出ないと焦ります。ラウンジで寝てしまい、危うく寝過ごすところだった。ダッシュしてセーフ。その後KLまで5時間のフライト。KLでは1時間程度のトランジットでさらにシンガポールへフライト1h。KLやシンガポールの空港に着いたら、タイムマシンで未来に来たような気分でした。

最後にネパールトレッキング旅行の手配について経験と感想を記します。

まず当初は日本の旅行会社のサイトから情報収集し、現地ツアー手配を検討。ただ日本の会社を通すとおそらくマージンが余計に入っている上、わざわざ日本語のできるガイドがカトマンズの空港からアテンドしてくれるという内容で、かなり割高でした。多少は英語ができる人なら日本語ガイドさらにカトマンズからのアテンドは全く不要です。ネパールの旅行会社でトレッキングツアーを斡旋している会社は無数にあります。結局ネットで検索して値段との兼ね合いなど見ながらえいやっで地元の旅行会社を決めてネットから予約。Poon hill 4日間のツアー、保護区へのトレッキング届出代行と入山料的な費用、ガイドつき、ポーターなし、期間中の宿代、朝昼晩3食代が込みでUSD420でした。これは一人での参加料金なので、人数が複数になれば単価はもっと全然安いです。例えば4人だったら一人USD275。

結果的に旅行の手配は何の問題もありませんでした。が、日本品質を求めるのは無理があると思います。こちらから聞かないと何も言ってこない。いつどこでガイドと待ち合わせとか、最初にネットで払ったのは20%の手付金だったので、残金どうやって払ったらいいのかとか、こちらからツアー一週間前くらいに確認するまで何の連絡もなし。めんどくさいことは聞いても答えない(寝袋持って行った方がいい?とかの質問にはレスなし)。ポーターは含まれてないのに、送られてきた日程表にはポーターの記述あり。ポーター付くんだっけ?と聞いたらNoとの答え。よく考えずに荷物たくさん持って行かなくてよかった。以上は全てWhatsAppで旅行会社(と言っても2、3人でやってるんだと思う)の代表とやりとりしました。こんなもんだろうと元々思ってたので、ある意味期待通り。むしろ「そう来るか...」みたいな感じでやりとりを楽しんでたので僕はこれで問題なしです。こういうやりとりがストレスになる人は高くても日本の会社通した方がいいかもですね。

カトマンズ、ポカラ間の国内線は自分で航空会社(Buddha Air)のサイトから予約しようとしたら、クレカ決済がネパールの銀行発行のカードでないとできず断念。何じゃそれ!? トレッキングツアー頼んだ上記の旅行会社に依頼して予約してもらいました。これもNo problem, I will book it!と返事が来た後、一週間経っても音沙汰ないので、WhatsAppで催促したらやってくれた。

今回のツアー日程は、1日の移動量が少なく(4 - 6h程度のハイク)最高地点も3200mとそこそこなので、普段何らかの運動をしている人なら余裕です。普段運動らしい運動してなくても、健康な大人であればどうにでもなるレベルと思います。トレッキング初心者の僕でも強度は物足りないくらい。小学生くらいの子連れでトレッキングしてる家族もいました。去年登ったマレーシアのキナバル山(強度は富士山登山より少し大変なくらいと思う)の方がはるかに大変。中級者以上の方はもう少し強度の高いプランを選んでいいと思います。4000m超に登る日程を含むものとか。全行程は以下↓

この辺りのトレッキングの最適の時期について事前のリサーチでは、雨季が終わり雪が降り始める前の10月、11月がベストとのことです。春になってシーズンが始まり雨季になる前の3月もOK。4月になると霞んでくるので山の景色が見えなくなる日が増える。私は10月まで待てず3月で決行し結果OKでしたが、確かに1日目、2日目は晴れてるけど山の前には雲がかかって景色が見えず。ハイライトの3日目朝プーンヒルと4日目朝はクリアに晴れてくれたのでよかったけど、1日ずれてたら悔やまれるところでした。富士山に例えると、わざわざ海外から日本に来て、富士山の景色見ようと箱根ハイキングして、晴れてたけど夏なので富士山は見えず。冬ならくっきり見えたのに。という感じだと思います。リスクを少しでも減らすなら10月、11月に行くのが良いのだろうと思います。せっかくネパールまで行ってヒマラヤ見られないのじゃ残念すぎるので。

何はともあれ超満足の旅行だった。ネパールまた行きたい!

ネパール・プーンヒル トレッキング Day 4

こちらは昨晩泊まったのロッジ前のテラスの昨日午後の写真。残念ながら午後から雲が出てきたので昨日は山は見えず。

晴れてればテラスから山が見えるとのことだったので日の出の時間に合わせて起きて外に出ます。見えたー↓ 2日続けて山と日の出。アンナプルナサウスが昨日よりも近くに見えます。

朝食後8時に出発。今日は下山するだけ。山を見ながらどんどん降りる。結局最終地点のキムチェには12時過ぎに到着してしまいました。ここにジープが迎えにきてくれて、ポカラの町に戻ってトレッキングの旅を終えました。最終日のハイクはあっという間で物足りなかったかな。でもとても感動な4日間の山行でした!

ネパール・プーンヒル トレッキング Day 3

今日は朝5:15出発。6:23の日の出の前に標高3200mのプーンヒルを目指します。出発すると満天の星空。これは天気よさそう。さそり座ってほんとにさそりの形してるなあと思いながら登っていきます。しばらくすると地平線の方が少しずつ明るくなってきて、見晴らしのよいところに出るとアンナプルナ山(Annapurna South)が浮かび上がってきていました。おーー、すごい👍

1h弱でプーンヒルに到着。右手にはアンナプルナが見えていて、

丘を登り切ると今度は目の前に突然ダウラギリ↓がどどーんと現れました。うぉー、すごい。感動。壮大です。来てよかった。

個人的な感覚で言うとグランドキャニオンと同じくらい感動。日の出も最高。晴れてよかった。後で気づいたけど月も一緒に映り込んでます。

日が登ってくると今まで影になっていたダウラギリの頂上に直接日が当たって頂上だけ雪の白い色が際立つようになります。ガイドいわく、ろうそくに火が点いた見たいでしょ、と。雪が風で飛んでいるのが煙に見える↓

写真撮りまくり、プーンヒルからの全景はこちら↓

売店で暖かいミルクティーを一杯買って飲んで下山。45分ほどで宿に戻ります。昨日は見えなかった部屋のバルコニーからも山々がばっちり。逆に昨日見えなかった分、今日の感動が大きかったと思う。食堂で朝食をとりますが、またここからしっかり山が見えて最高↓

朝食後、今日の目的地タダパニという村を目指します。トレッキング中も午前中は雲がなく、木々の間やひらけたところからは山が見えていい気分↓

↓こちらは山道のタクシーサービス。電話すると来てくれるらしい。

早めに出発したので午後1時にはタダパニに到着してしまいました。もう2h歩いて次の村のガンダルクまで行くか?とガイドに言われたけど、急いでもしょうがないのでここでゆっくりすることにしました。ロッジのテラスでコーヒー飲みながらKindleで本を読む。このテラスからも晴れてれば山が見えるはずですが、午後からは雲が出てきたので見えず。夕方冷えてきたので、今日も食堂のストーブのそばへ

今日はこの旅のハイライトで、スーパー感動の1日でした。明日は最終日。

ネパール・プーンヒル トレッキング Day 2

Day 2。朝起きて部屋から山方面を見ると、お、ガスってるけど昨日は見えなかった山がかすかに見えるじゃありませんか!

まもなくまた曇って見えなくなりますが、ガイドいわく今日は曇りでもまあいい、肝心なのは明日だからとのこと(翌日それを実感することに⛰)。曇ってるので登山するには楽でよしとします。今日の目的地の村はゴレパニ。ウレリ1900mからゴレパニ2800mまで900m登ります。しばらく昨日の続きの石段が続いた後は日本の登山道と同じような感じの山道になりますが、道中点々とゲストハウス兼食堂があり、鶏、牛、馬、ヤギなんかを飼ってます。

ニワトリたち。自給自足感満載。卵も産むしカレーのチキンにもなるしね。。

2時前に無事ゴレパニに到着。今日のお宿はGuest house the Hungry Eye.

最上階の4Fの部屋で広いバルコニーがあり、晴れてればここから山々が見えるとのことですが、、雲がかかっており全く見えません。天気予報によれば明日午前中は晴れるはず…部屋には暖房がなく夕方になるにつれ冷えてくるので、シャワーを浴びた後は食堂のストーブの周りでビール飲みながらくつろぐことに。

ちなみにこの写真の右のおじさんは、香港在住のイギリス人で24日間かけて一人で(ガイド付)トレッキングの旅してると。今日の夕食は野菜カレーにしました。普通においしい。明日は早朝にプーンヒルの日の出を見るために朝5時出発です。晴れますように。

ネパール・プーンヒル トレッキング Day 1

一日目、朝8時に予定通りガイドがホテルに車で迎えに来てくれて登山口のNayapulに向かいます。走り始めると、山が見えてきた!

Mt. Machhapuchare, 別名Fishtail mt., Holy mt.

時折道の舗装が途切れ、砂煙もうもうの中、ばっこんばっこん揺られながら一時間ほどで到着。ちゃんとした事務所があるわけではなく売店があるだけの登山口でした。標高は約1000m。ここから今日の目的地ウレリは1900m地点とのこと。ガイドのにいちゃんと言葉を交わしながら川沿いにひたすら歩く。この後旅が終わるまでずっと至る所にロッジ兼食堂みたいな店があり、ランチはこちらで。

お勧めを聞いてローカル飯のダルバート(Dal Baht、豆カレー)をいただく。普通にうまい。

ランチ後、川を反対側に渡ったところ(Tikhedhunga)から本格的な登りが始まります。ひたすら石の階段で旅行会社のWEBサイトの説明が正しければ3200段とのこと。

2:30pmくらいに目的地の村、Ulleri到着。「ほんとは部屋のバルコニーから、山が見えるんだけどね」とガイドのシャンカーが教えてくれますが、雲がかかってて見えない🙁 明日に期待します。実は今日は僕の誕生日でそれをガイドに道中話したら、サプライズで夕食前にネパールパンケーキとろうそくで当日の宿泊者やロッジのスタッフがHappy birthday歌ってお祝いしてくれました。感謝!

夕食はスパゲッティを頼んだのになぜかどデカい春巻きが出てきた。え、頼んでないよ… 間違えたとのことで作り直すと言われたけど、いいよいいよ、もったいないし、でしっかりいただきました。

宿はHotel Annapurna View Point。いわゆる山小屋をイメージしてたのですが、思いの外きれいで聞けばまだ6ヶ月の新築とのこと。ウレリに泊まることあればおすすめです。

Day 2に続く。

ネパール・プーンヒル トレッキング Day 0, 前日

ヒマラヤの絶景を臨むトレッキングの旅、ネパールのプーンヒル他を巡る4日間のトレッキングの記録です。まずは前日の移動、前泊から。

2024年3月9日の土曜日にトレッキングの玄関口の町であるネパールのポカラに移動します。シンガポール朝6時発、マレーシア・クアラルンプール経由のフライトでネパールの首都カトマンズ空港へ。遅延もなく現地時間で12時過ぎに到着。飛行機の右窓側に座ることをお勧め。カトマンズ到着前にヒマラヤ山脈が機内から見えます。おー感動!

機内から見るとヒマラヤは東西にとても長いスケールの大きい山脈だということを実感します。全長2400kmとか。ちなみに日本の本州の全長は1500km。

現時点でのネパール入国にはVisa on arrivalというビザが必要。入国管理というより入国税の意味合いの方が強いと思います。多くの国がこの手の入国手続きをオンライン化してますが、ネパールはこうしたいわゆるデジタル化はまだまだで、事前にできることは必要項目のオンライン入力と申請まで。入力後の画面印刷した紙を持参してUSD30を窓口で支払います。その後入国審査を通り問題なく入国できました。

入国審査抜けるとすぐにネパール大手携帯キャリアのNCellのカウンターがありここでSIMカードを購入。10人位の客がいましたがお行儀よく一列に並んだりはしない。カウンターにぐちゃぐちゃに集まり先に窓口のおばちゃんをつかまえたもの勝ち。高校の学食のラーメン売り場で、もみくちゃになって「おばちゃん!もやし!」と叫んでもやしラーメンをgetしてたのを思い出した。購入はいたって簡単。有効期間別に値段が異なるプランを選び(僕の場合は7日間)、携帯を渡せと言われ、渡すと設定までやってくれます。携帯の言語設定は予め英語にしといた方が無難かと。支払いはとてもクレカが使える雰囲気ではなく現金で。ネパールではこの後も思った以上にクレカが使えずあらゆるところで現金が必要になります。使えるのはホテルくらいでは。この時点でまだネパールルピーに両替してなかったのですが、USDなら受け取ってくれました。7日間、15GBで$5。その後となりの両替カウンターでネパールルピーを入手して出口へ向かいます。

出口を出て道路の向かい側にネームプレートを掲げたお迎えの集団がいて、そこで自分を待っていた旅行会社のMr. Gokul と無事会えました。事前にWhatsAppでやりとりしてた通りツアーの残金を現金で渡して、車でとなりの国内線ターミナルまで送ってもらいました。歩いても数分だと思います。旅行会社の感想については追って旅行後記でお届けします。

この国内線、天候不良などで頻繁にディレイしたり欠航したりして初めての日本人には難しいという情報もありますが、、ちゃんと英語のアナウンスもあるし、英語表記の電光掲示板もあるし、全然難しくないです。ディレイしたり欠航してもちゃんとボーディングパス持ってれば大丈夫でしょう。幸い定刻通りに飛んでくれました。(英語で必要最低限の確認と要求する度胸は必要と思います。)

↑ネパールの国内線大手Budda Airでネパール第二の町、ポカラへ。この機内からも右にヒマラヤが見えます

ポカラの空港からホテル等が集中しているlake sideまでの移動はどうもタクシーしかなさそう。今のところRide hailing のGrabやGojekもネパールには進出していない。一応inDriveというアプリがあってこれでタクシーを呼べて、値段交渉をアプリ上でできるようになっているみたい。結局試さなかったので詳細わかりません。タクシーは乗る前に料金を確認します。1200ルピーと言われ安くしろと言ったけど失敗。交渉上手の方は頑張って下さい。ちなみに帰りにホテルで空港までのタクシーを呼んでもらった時は700でした。inDriveでは600くらいでも出てたし、交渉次第でそれくらいにはなると思います。

今回泊まったのはポカラのホテルはLake view resort。多分この辺では高級な方なんだろう。一泊7000円くらいでした。フェワ湖畔にあります。部屋は広くて清潔、特に感動することはないけど問題もありません。この値段なら納得です。周辺にはバックパッカー向けの安宿もたくさんありました。安く済ませたい方は予約なし当日walk inでも問題ないと思います。夕食は日本人のブログを見て近くの日本食レストラン、フジヤマへ。明日からのトレッキングに備えてカツ丼でカーボローディング。うまい!ちゃんと日本の味。シンガポール在住ゆえ久しぶりのカツ丼。

ホテルに戻ってレストランのバーでビール一杯とワイン一杯いただき、明日に備えて早々と9時に眠りにつきました。さあ、明日からトレッキング。

 

 

 

 

キナバル山 登山 3日目 (後記) - Mt. Kinabalu Climbing, Day3 (after the climbing)

コタキナバル最終日、登山後記です。昼過ぎにシンガポールに戻るフライトを予約していたの午前中コタキナバルを散策した記録。記事の最後にツアー手配について感想を残します。

昨日は疲れて早く寝たので(何せ昨日は朝2時起きだったからね)、早めに目が覚めます。ホテルは朝食抜きのプランだったので、近くにおいしいカフェとかないのかとググりつつ周辺を徘徊。(それにしても...ふくらはぎがここ数年経験したことのない激しい筋肉痛で、まともに歩けず)一応リゾート地ということらしいので何かあるんだろと思ったのだけど、何もありません。高級ホテルはビーチ沿いに集中していて、少し海から離れたこの辺は歩き回るとバックパッカー向けの宿が多数あることに気づく。学生時代に友達とヨーロッパやアメリカをバックパック背負って一つ星のホテルをその日に見つけて旅したのを思い出した。思えばこれくらい怪しい感じだったなと。今となってはこんな宿に泊まろうとは絶対思わない。もちろん金がなかったということもあるけど、それだけじゃあないわね。年取って保守的になっているのは否定できない。若いって素晴らしいねと思った。

しゃれたカフェなんて皆無だったので、結局ホテルのすぐそばにあったなんてことないファストフード的なサンドイッチとコーヒーの店で朝食。一旦ホテルに戻った後、ビーチの方に行けばショッピングモールとかがありそうだったのでTシャツでも買うかなと思い、てくてく筋肉痛の足をひきづり歩きます。

海岸まで来たけど...横須賀って感じ。。すいません...コタキナバルにも行くとこに行けばちゃんといいビーチとかはあると思うのですけど。ボートで島に渡るときれいなビーチもあってマリンアクティビティもあるとか。その後ショッピングモールに立ち寄るも特筆すべきことはなく、ホテルに戻ってきました。

さてどうする...フライトまでまだ時間はある。一応観光名所的にはモスクとかが有名なんだけど、これは昨日キナバル山からの帰りの車中で見てそれで十分だろうと。しょうがないなと思ってサバ州立博物館というのに暇つぶしで行ってみることにした。ところが、これがすごかった。

サバ州立博物館の外観。

とりあえず館内に入るとまず巨大な鯨の骨格標本があります。これが売りらしい。申し訳ないけどワシントンDCのスミソニアン博物館の恐竜の標本とか比べたら大したことないので、ふーんと通り過ぎます。その後はこのサバ州近辺の民族的な衣装だったり、昔の農機具だったりの展示が続きます。規模は少し大きいけど、僕の地元の大田区立郷土博物館といった感じ。一応一通り解説を読む。ちなみにマレーシアというとマレー半島の領土をイメージしますが、コタキナバルのあるサバ州マレー半島ではなくボルネオ島にあります。つまりインドネシアと地続き。フィリピンにも意外に近い。

もともとは違う国(というか違う統治下)だったマレー半島のマレーシアとボルネオ島サバ州その他の州が、第二次大戦後に協議の末に一つの国になったという歴史があることを展示を見つつ知る。Day 1でコメントしたように、サバ州には州の旗があり、ほぼ必ずマレーシア国旗と並んで掲げられています。サバ州はマレーシアの中でも高度な自治が認められており、独立心が旺盛で、マレーシア国内であるにもかかわらず、サバ州以外(例えばクアラルンプール)からサバ州に入るにはパスポートが必要なのだとか。

マレーシア語とインドネシア語は極めて近い言語で、方言のようなものだと言われています。九州弁と大阪弁で話しても意思疎通が成り立つようなものだと想像します。両国はイスラム教がメジャーであることも共通していますし、こうして見るとこの二つの国は紆余曲折あってたまたま違う国に分かれてしまったけど、極めて近い文化圏にあることがわかります。そしてアジアの博物館には必ずある大戦中の日本軍占領時の展示などももちろんありました。欧米人の年配の御夫婦がガイドをつけて館内見学をしており、ほぼペースが一緒だったので時折その解説を聞かせてもらいながら回ります。

さて日本語のネット上のどの記事を見ても詳しく出てこないのですが、個人的にこの博物館の最大の見どころは首狩族の展示です。当時(大戦前)、部族間の争いや、個人間の決闘などで相手の首を持ち帰ることは勇敢な男性の象徴だったようで、首を持ち帰ることが一人前の男性として結婚できる、モテる条件だったとか。持ち帰った首の頭蓋骨は家の軒下にいくつも並べて吊るされ、その勇猛さを誇示するとともに、家に幸せを運んでくると信じられていたとか。日本の戦国時代までと同じとは言えますが、この文化が20世紀になっても続いていたということ。そして驚くことに、この博物館にはこの軒下に飾られていた本物の頭蓋骨が軒下の再生と共に展示されています。イミテーションではと思ったのですが、ガイドも本物と言っていたし、後でWebサイトを見るとやはり本物だと。さすがに写真を撮る気になれず、ここに掲載できませんが、すごい展示でした。事前のネットでのリサーチで出てこないのは、エグいのでブログなどにもなかなか書きづらいのだと思う。

博物館の展示を見入っていたらあっという間にフライトに向けて空港に行くべき時間に。慌ててホテルに戻り、荷物をピックアップして帰路につき、無事に3泊4日の旅を終えました。

最後にキナバル登山のツアー手配について。今回は初めての海外登山だったとこともあって、何があるかわからないとも思い、日本の旅行会社を通じて現地発着の登山ツアーを利用しました。東南アジアx登山で検索すると、最初に出てくるのがキナバル登山であり、日本の旅行会社のツアーも多く、選択肢は多くあります。日本語のサイトだとしっかり読めば、その旅行会社がまあまあちゃんとしているだろうことは何となく想像がつくので、そこに頼めば安心ではあります。しかし、結局そうした日本の旅行会社がやっていることは、現地旅行会社との中継ぎに過ぎず、日本の会社を通すことでマージンが発生しています。それを否定している訳ではありません。日本語で手配することの手軽さ、何より前述の通り、変なところではないだろうという安心感があります。トレッキングや登山などのように危険を伴う場合、安心は大きな付加価値です。ただ、キナバル登山に関して言えば、体験してみて現地の観光コンテンツとして大変成熟していることがわかりました。多少なりとも英語ができる方であれば(そして多くの日本人は多少なりとも英語の読み書きはできると思います)、ネットで現地の旅行会社をいくつか吟味し、手配することでおそらく問題はなく、安く手配が可能だと思います。